私が初めて「緑のおじさん」の話を聞いたのは、確かまだ小学生の頃でした。
私を含めてお友達3人と遊んでいたら、私以外の2人が緑のおじさんをよく見かけるって言うんです。
2人が一緒になって私をからかっているのかと思ったんですが、2人は逆に私が緑のおじさんを知らなかった事を不思議がっている様子でした。
大体緑のおじさんって何!?
2人に聞くと、別に普通のおじさんなんだけど、いつも両手いっぱいの葉っぱを抱え、服のポケットからはまるで体から生えているかのように枝が伸びている、って。
出没場所は、住宅街の空き地にただ座っていたり、駅前の車の通りが激しいところを歩いていたり、決して人目につかない場所ではないんです。
なのに学校で噂になる事もなく、私は緑のおじさんは心のきれいな人にしか見えない妖精ではないかと考えるようになりました。超マジです。初恋の人の名にかけて(英生風)マジです。
そして私が知る限り、見た事があるのは後にも先にもその2人だけでした。
私がとうとう緑のおじさんを目撃するまでは……
今日見たんです。
実は2、3ヶ月前に初めて見たんですが、その時は夜中にひとけのない所ですれ違ったので、動揺のあまり失禁するかと思いました。
こんな立て続けに会っちゃうなんてやっべー私とうとう心がきれいになっちゃったんだ!
って寝言は寝て言いますよ。おやすみなさい。