::鏡の影 佐藤亜紀
2年位前かな?凡さんがお勧めしてくれるまで(ありがとう!)知らなかった作家なので、絶版から復刊に至るまで色々あったというのも最近知ったのですが、後から追いかける読者としては何はともあれ復刊してくれて良かったです本当に。
農民の末っ子ヨハネスは、富んだ坊さんに一揆を繰り返す兄達に対して「そんなんじゃ世の中は変わらない」「神様がお坊さんを作ったんならお坊さんはいなくならない」とか思ってて、ある一点を変えれば全世界を変えられるんじゃないかと思い始めたわけです。
そんなヨハネスに長兄は「お前坊主になれ」と言い、ヨハネスは聖職に就く叔父のところへやらされ、そこからヨハネスの世界を変える一点を探す旅が始まります。
そして探求にはまり込んで気づいたら異端審問という話なのですが、その間に出会う人達が魅力的で面白かったです。
ヨハネスを先生と慕うシュピーゲルグランツの腹黒い美少年ぶりもなかなかですが、私のもえっ子ベストは貴族のフィヒテンガウアーですよ。ヨハネスに妹をたぶらかされたり色々あって、ヨハネスを追う立場なのですが、殺すかと思ったら家に連れて帰ろうとしたり、ヨハネスが好きなの?と思わずにいられません。
ていうかヨハネスもて過ぎだろ。私には逃げ足のやたら速いなさけない感じに思えるのですが、意外と誘惑に強いというか流されないというか、つれないところがいいのかな。自らどうこうしてないのにいつの間にか好かれてるという、天然たらし系かなと思います。
娼館で出会ったグァネリウスも純情な可愛い子ちゃんで良かったです。最後シュピーゲルグランツと共にローマへ向かいましたが、道中で恋が芽生えたらいいのに。
もてもてヨハネスもとうとう娼婦のフィリッパの長持ちにおとなしくしまわれてしまいますが(長持ちにしまっておきたいなんてどこの攻めの台詞だ!)、フィヒテンガウアーもヨハネスが自分の近くにいる間にさっさと長持ちにしまってしまえば良かったのにね!
現在 52/100冊
今日はぷりきゅあ見逃してFUKOです。
西さんへの思いが高じて携帯の待ち受けにまでしてしまいました。あさひんありがとう。
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