::陰陽師 鳳凰ノ巻 夢枕獏
とうとうひろまさがせいめいに向かって「桜のようだ」とか言い出したんですけど…!
残念ながら容姿がどうとかじゃなく、散っても散っても減らない花びらが、こぼれ出るせいめいの才能が減らないのと同じだなってことなんですけど。
それで思ったんですけど、せいめいってば最も桜にさらわれそうな受けじゃないですか?いやマジで。
::陰陽師 生成り姫
恋する博雅。
これだからノンケは!キー!と歯軋りしたくなりますが、よく考えたら別に恋ってほどでもないよね。
どうしても私はせいめいを健気な受けに仕立て上げたいので、ノンケ博雅に片思いするいじらしい様子を想像してしまいます。
なので読んでいてせいめいが可哀相でちょっとつらかったです。
::龍笛ノ巻
せいめいの兄弟子の保憲様がすごいんです。もえっこというよりは魔女っこと呼びたい。そんな感じです。
いつも式神の黒猫(猫又だけど)と一緒で、懐に入れては喉をごろごろいわせています。
保憲様は面倒なことが嫌いで、自分があれこれ動き回る必要が出てくると、全てせいめに丸投げなのです。しかも人にものを頼む時に、堂々とめんどくさいからとか言い放つところが素敵です。余裕ある物言いといい、まことに良い漢だ!
::太極ノ巻
なーんかせいめいってば英生っぽいよねと思うんですが、これはしゃべり方の成せる技だわ多分。
語尾が「~さ」なんだよね二人とも。「試したのさ」とか「らしいのさ」とか、実際こういう風に話す人っていないよっていう芝居がかった感じが胡散臭くて好きです。
昔読んだ時は、せいめいは冷酷で妖艶でってイメージだったんですけど、冷酷さに関しては全然そんなことないですよね。とても暖かく思いやりがあるし、鬼にだって敬意を払っている気がします。貴賎を問わず誰に対しても誠実で丁寧だし。だからこそ博雅相手に諭すように「~さ」って話すのが、虚勢を張っているというかツンの部分に思えて…MOE。あとすのこでお酒飲んでいるせいめいはそれなりにえろいとは思うけど、妖艶ってほどでもないかな。身持ちも固いと思います!
::瀧夜叉姫(上)(下)
どんな短編でも1話に1回は必ずいちゃついている博雅とせいめいなので、上下巻ともなろうものなら、という期待に違わずものすごい口説き文句が飛び出ました。博雅の口から。照れるせいめいがかわゆいな。
ところで博雅とせいめいを始め主要な登場人物は実在した人ですけど、あと”あの男”村上天皇もどの御代だったか物語の雰囲気を出すためにわざわざ出しているのかなと思ってたんですけど、その他の登場人物も実在する人だったんですね!って小野好古と道風が出てきて気づきました。たかむらの息子と孫なのよ~!時代が合っていればたかむらも出てたかもなと思うと惜しいです。
いつもと様子の違う長編でしたが、平安京の時を超えるスケールの大きな話で楽しかったです。
現在 6/100冊
寝正月の甲斐あってなかなか好スタートでないの!
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