こないだのつづき
::帰郷 刑事・鳴沢了 堂場瞬一
時効を迎えた事件の関係者が、了に犯人についての情報提供をしてきたのです。
それはかつて了の父親が捜査した事件で、情報提供者は了の父親に恩を感じていたため、息子である了を信頼して話をしてきたわけです。
了は当然ながら何故今更なのかと不審に思うわけですが、父親が迷宮入りさせた事件を自分が解決してみたいという一心で、管轄外の事件なのに調べ始めてしまうんですよ。
それも管轄外も管轄外で、忌引きで新潟に帰省中の話なんです。
当然所轄の刑事さんにばれて怒られるわけですが、新潟県警時代の同僚や先輩に助けられ無茶しています。
1冊目で登場した攻め候補達も再登場ですよ~。
特に了にいじめられていた海君が男ぶりを上げてね…下克上までもう一歩の寸止めな感じで感慨深いものがありますぜ。
::妃は船を沈める 有栖川有栖
作家編最新刊!!!
雑誌掲載時には別々だった話を、長編として一つにまとめているのですが、つなげるにあたって「幕間」が書き下ろされています。
もうこの幕間のアリスがたまらん。私はこの切なげなアリスに弱いっす。
なんかね、ありすは一人ぼっちのクリスマスにはびくともしないけど、春先がダメなんだって。
こんなこと書かれたら、春先と言えば入試シーズン→ひむら多忙→ありす寂しいって連想しろってもんじゃないですか。
そしてまさに春先、さびしがり中のありすは、以前ひむらと一緒に行ったバーにふらっと一人で行くわけですよ。多分ひむらを思いながらね。そしたらお店の人の話で、ひむらも一人で飲みにきていたことが知れるんです。
それを知ってありすがどう思うのかなって考えたら、夜も眠れなくな…らないでむしろ目が覚めますよね!
うまく言えないけどさ~、なんだろう、自分も一人で飲みに行ってるのは棚に上げて、ひむらが一人で飲みたい心情を慮ってしまいそうじゃない???大阪のバーなのに自分を誘わないこととか、こないだあの店行ってきたぜと言わないこととか。一人で飲みたい時があるのもわかってるだろうし、それをいちいち報告なんてしないことだってわかってるだろうけど。
でもひむらが「デリケートな迷い」をありすにぽろっと話したからキュンときました。
おまけに終わり方がえろいしね。
現在35/100冊
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