::夜にその名を呼べば 佐々木譲
冷戦時代、とある日本の商社が対東欧貿易のためにダミー会社を設立したのです。ダミー会社の社員は、表向きは親会社である商社から出向というような形でしたが、その実は共産圏への輸出規制違反をした時の尻尾切りなわけです。
主人公はそのダミー会社の社員で、親会社からは証拠隠滅のために命を狙われ、ベルリンの警察からは殺人犯で指名手配され、公安からはスパイと疑われ、とてもリーマンとは思えない末路をたどるのですが…
そんでもってベルリンの壁が壊されて数年経った頃、東ドイツに逃げて行方不明になっていたリーマンから、母親やマスコミに手紙が届いたもんだから、再び公安が動き出してさあ大変というお話です。
まさか、まさかね、と思っていたラストだったのでイヤンな感じです。
そして主人公が、ちょっとアウトロー気取った、でもなかなか人望はあるんだぜみたいな鮫島風な野郎だったのであまり楽しめませんでした。
ちょっと気になったのは、公安の警視が変態性欲を押さえきれない人で、愛人に婦人警官のコスプレをさせるくだりがまあまあ長く続いたのですが、一体何のサービスなんですかね!全くもって不要なエロは入れんでいいと思うよ!
楽しめなかったとか言いながら感想3行で終わらなかったチクショウ!
::警視庁公安部 佐竹一彦
公安の特務員が外資系商社の社員になりすまして潜入☆捜査。
なんか主人公君ったら私が心配になるくらいうっかりしてるんですけどと思ったら、案の定警察に拘留されたりしてダメっ子にもほどがある!スパイ失格!
でも面白かった。あっという間に読み進んでいきました。
なのに…なのにラストがガックリなのです。
この2冊を読んで、少佐への畏敬の念を再確認したのであります。
現在23/100冊
今年ももう折り返しだというのにまだこんな冊数!